目次
SIBO（シーボ）シリーズ②
シーボ（SIBO）を生み出す原因とは？
シーボ（SIBO）を生み出す原因その①
シーボ（SIBO）となってしまう大きな原因は
2つあります。
腸のお掃除役MMCの低下
一つは、胃から大腸まで続く腸の運動が滞る
ことです。
この運動は、大腸の蠕動運動とは区別され、
一般に、MMC（Migrating Motor Complex =
伝播性消化管収縮運動）と呼ばれています。
MMCは小腸内の清掃係として、環境を
クリーンに保つハウスキーピング役を
担っており、
小腸は胃から流れてきた食べ物を消化分解し、
その後、MMCによって、食べ物の残留物や
細菌を大腸へ押し出し、排出しています。
このMMCという小腸のお掃除機能が滞ると、
小腸内で、残った食べかすが発酵し、
シーボ（SIBO）を生み出します。
そうすると、元々、小腸の粘膜は、栄養素を
吸収する仕組みになっているため、大腸に
比べて薄くできており、シーボ（SIBO）で
生み出されたガスに耐えられるように
できていません。
たとえ、善玉と呼ばれる細菌であっても、
小腸のような不適切な場所で、過剰に
増えると、問題となってしまうのです。
このシーボ（SIBO）はシーフォ（SIFO =
Small Intestinal Fungal Overgrowth）も
生み出します。
なぜなら、SIBOの腸内では、腸内環境が
乱れた結果、正常では増殖が抑えられる
カビ（真菌）、カンジダ、イーストも
同時に増えてしまうからです。
ですから、シーボ（SIBO）とならない
ようにするためには、腸の動きMMCを
健全に保つことが大切です。
シーボ（SIBO）を生み出す原因その②
また、2つ目の大きな原因として、大腸内細菌
にとって適切な栄養素が、大腸で得られない
ことが挙げられます。
大腸粘膜細胞に必要な栄養の不足
大腸の細菌が適切な栄養素を得られないと、
細菌が大腸から小腸へ栄養素を探しに行き、
そのため大腸にあるべき細菌が小腸で増加し、
シーボ（SIBO）を引き起こします。
というのは、大腸は短鎖脂肪酸、特に酪酸に
依存していて、酪酸は大腸粘膜細胞の
エネルギー源なので、これが得られないと
大腸の粘膜細胞は飢えます。
酪酸は、どんな食べ物から得られるのか
というと、水溶性の食物繊維からです。
水溶性の食物繊維は、大腸に住む
善玉菌の餌となり、その善玉菌が、
腸内環境を整える微生物や、酪酸
などの短鎖脂肪酸、そしてビタミン類
を産生します。
ですから、酪酸は大腸で大変重要な役割を
担っているので、この酪酸を生み出す元となる
水溶性の食物繊維を心がけて取ることは大切です。
酪酸は、お腹スッキリのための蠕動運動を
促したり、大腸の粘膜細胞を健全に新陳代謝
させ、粘液の分泌を促しています。
この粘液が便通をスムーズにし、
便に含まれる細菌が腸管壁から
侵入することを防ぐバリア機能も
強化しています。
現代人は忙しいので、便利に素早く
食べられるコンビニフードや、
ファストフードを食べることもあり、
繊維の含まれない精製された炭水化物や、
外食続きで、野菜より、肉などの動物性
たんぱく質と脂肪を主体に取るという
ことにもなりがちです。
そうすると、大腸の細菌たちに必要な
食べ物が枯渇するので、小腸へ探しに
行くか、酪酸を生み出す野菜などの
炭水化物ではない、たんぱく質や
脂質を発酵させて、代替にしようと
します。
そうすると、大腸にあるべき細菌が
小腸で増えたり（つまりシーボ）、
大腸内の腸内フローラが変質して
プロテオバクテリアなどのグラム
陰性菌を増やしてしまいます。
グラム陰性菌の外膜からは、
内毒素とされるリポ多糖（LPS）
が分泌されます。それが、
炎症を生み出します。
私たちは、腸内細菌と共生しており、
これらの腸内細菌はお腹の健康のみ
ならず、免疫力、そして脳力にも
関わっているんですよね。
ですから、お腹の健康は、全身の
健康の要になっています。
まとめ：シーボ（SIBO）の主な原因
① 小腸のお掃除機能MMCが低下する
② 大腸内細菌に適切な栄養素が不足する
なぜシーボ（SIBO）の原因となる
MMCの低下が起こるのか？ については
to be continued…