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生まれと育ち - どっちが健康を左右する?
お医者さんとか行くと、「遺伝ですね」と
説明を受けることがあります。
そう言われると体質だから仕方ないと
諦めざるを得ませんよね。
でもそれって、昔の「生まれ」と「育ち」の世界の
ようですよね。貴族に生まれると一生裕福で、
農家に生まれると「働けど働けど我が暮らし
楽にならざり」の運命をたどることになる。。。
実際のところ「生まれ」と「育ち」は、どっちが
健康を左右するのでしょうか?
「生まれ」と「育ち」どっちが優位?
遺伝が体質を決めるのかどうかを研究する分野に
エピジェネティクスというものがあります。
エピは、「外側」とか、「離れて」という意味で、
ジェネティクスは、遺伝学の意味です。
なので、エピジェネティクスとは、遺伝子の
コントロールを超えた、遺伝子の発現、変化を
研究する学問のことです。
遺伝子ってどこにあるのかというと、DNAの中
ですよね。DNAってどこにあるのかというと
細胞の核の中ですよね。昔理科で習いましたよね。
ですから、エピジェネティクスを理解するには、
細胞を理解する必要があるということですよね。
それで、細胞学者として有名なリプトン博士が、
その著書の中で紹介されている細胞の『除核実験』
というのがあって、それがとてもおもしろいんです。
細胞学者たちは、この実験をする前までは、
細胞核に遺伝情報があると思っていたので、
細胞核が細胞の脳(司令塔)だと思っていた
そうなんですよね。
ですから、細胞から核を取り除くと、細胞は当然
死ぬだろうと予測されていたんです。
ところが、細胞から除核しても細胞は死にませんでした。
もちろん、DNAという設計図がなくなったので、
細胞がダメージを受けて修復が必要になっても、
細胞分裂ができず、いずれはその細胞は劣化して
死んでしまうそうなのですが、でも即死せず
2ヶ月は生き延びたそうです。
今度は、細胞膜を破壊して、細胞にどう変化が
起こるのか実験してみたそうです。
細胞膜には、2種類のタンパク質があって、
これが細胞膜のゲート(門)のような役割を
果たしているそうですが、その2種類とは、
外界からの信号を受信する「レセプタータンパク質」と
それに呼応して行動を起こす「エフェクタータンパク質」
の2つです。
レセプタータンパク質を破壊すると、細胞膜が
外部からの信号を受信できず、細胞の動きが
停止したそうです。
同様に、エフェクタータンパク質を破壊しても、
外部信号を処理できず、細胞の動きが停止しました。
つまり、実験結果は、どちらの細胞膜タンパク質を
破壊しても、細胞が脳死状態となり、結果として、
細胞が死んでしまうという実験結果になったそう
なのです。
この実験でわかったことは、遺伝子が細胞の活動を
コントロールしているのではなく、細胞膜にある
2種類のタンパク質が細胞の変化をコントロール
しているということです。
したがって、遺伝情報を持つDNAは、細胞分裂
のための設計図にすぎず、実際に細胞分裂や
細胞の変化を促しているのは、細胞膜である
ということです。
細胞膜は環境からの信号に呼応して、遺伝子の
読み取りをコントロールしているということに
なります。
要するに、DNAという設計図の遺伝情報が発現するか
どうかは、ただ単に「可能性」にすぎず、遺伝発現の
スイッチを入れるのは、環境からの信号であり、
遺伝子自体ではないということです。
これを踏まえると、体質は遺伝で決まるのではなく、
環境からの要素で決まる、ということになります。
ですから「生まれ=出生」より「育ち」が体質を
決めるということになりますよね!
知られざる細胞膜の働き
細胞膜ってすごいですよね。
細胞の脳のような役割をしているんですね。
細胞膜にあるレセプタータンパク質(情報受信)と
エフェクタータンパク質(情報処理)がセットで
環境からの情報に呼応して、細胞に変化を起こして
いるんですね。
だからこの2つのタンパク質が、細胞の知覚のユニット
だということになります。
知覚とは、環境の要素を認識すること(=レセプター
タンパク質の役割)であり、その情報を元に身体感覚
を生み出す(=エフェクタータンパク質)ことです。
桁違いの信号伝達力
このレセプタータンパク質が認識する環境からの
要素には、栄養素や毒、ホルモンなどの化学物質
だけでなく、光や音、電波、電磁波などの
形のないエネルギーも含まれます。
思考も、形のない電波エネルギーですので、
レセプタータンパク質が受信します。ですから、
それに呼応してエフェクタータンパク質が
細胞に変化を起こします。
量子物理学の分野では、ホルモンや神経伝達物質
などの化学物質によるシグナルに比べて、
電磁周波数などのエネルギーによるシグナルの方が、
100倍も速く伝達されることを明らかにしています。
それは、化学物質は体内で化学反応を起こすため、
熱発生と化学結合などによってエネルギーも消費
するので、信号を処理するのに時間とエネルギーが
かかり、電波エネルギーに比べて非効率だからです。
知らずに受け継いでいる遺伝の要素
「生まれ」か「育ち」かの遺伝の話に戻ると、
遺伝の要素として影響するのは、「捉え方」「考え方」
「思考パターン」という形のない電波エネルギーも
考慮されることになります。
たとえば、親の考え方を受け継ぎ、その思考パターンが
細胞レベルに変化を起こす、あるいは、その考え方に
反発して、怒りや恨みなどを持っていると、それが
細胞レベルに変化を起こし、DNAにあった遺伝情報が
読み取られて、遺伝発現のスイッチがオンになる
可能性が出てくるということになります。
これが、「うちは心臓病になりやすい家系なんです」
という家系に起こりやすい病態を生み出している
のかもしれませんね。
先程の、化学物質よりエネルギーの方が効率的に速く
作用する、ということを真に理解して健康に応用すると、
選択は薬という化学物質手段だけに止まらず、思考を
導いていく手段も、効果的に細胞レベルに変化を促す
手段ということですよね。