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SIBO(シーボ)シリーズ③
小腸のお掃除機能MMCが低下する理由
シーボ(SIBO)の原因の一つに、
小腸のお掃除機能MMC(Migrating
Motor Complex =伝播性消化管収縮運動)
が低下することが挙げられます。
では、なぜMMC機能が低下するの
でしょうか?
理由①:万病の元と言えば…
MMCが低下する原因に、ヘリコバクター
ピロリ菌やその他の感染症が発端という
こともあります。
しかし、感染症がなくても、MMCは低下
します。
その原因の一つに、はい、そうです!
ここでもストレスなんですよね。
腸と脳は迷走神経でつながって、お互いに
コミュニケーションしており、腸内細菌は
脳に大きな影響を与えています。
たとえば、脳の神経細胞に栄養となるBDNF
(= Brain-derived neurotrophic factor =
脳由来神経栄養因子)は、記憶力と関係する
と言われますが、どうやら腸内細菌とBDNF
の発現には、相関関係があるらしいのです。
事実、お腹の調子が悪いと、一般に思考力も
低下しますよね。
また、その逆も然りで、心配ごとで頭が
いっぱいだったりすると、食欲もすぐれず、
消化不振になりますよね。
迷走神経は、副交感神経の主要な神経で、
胃腸の働きを担っているので、
慢性ストレスにより、交感神経が常に興奮
していると、副交感神経の働きが鈍り、
よって、迷走神経の働きが鈍ります。
そうすると、胃酸などの消化液がうまく
分泌されなくなり、腸管の運動MMCが
鈍ります。
迷走神経は、MMCに直接影響を与えている
と言っても過言ではありません。
事実、迷走神経を活発にすることで、
シーボ(SIBO)やIBSをコントロール
できることが示されています。
迷走神経を活発にするには、深呼吸や、
瞑想、ヨガ、そして、腸内細菌フローラを
適切なプロバイオティクスで整えることが
有効です。
理由②:忙しい現代人にありがちなこと
また、MMCが低下するもう一つの理由に、
身体にMMCが起こる時間を十分に与えない
ことが挙げられます。
MMCのサイクルは、胃が空っぽになって
から、90分から120分のサイクルで自然に
引き起こされます。
それは、胃から小腸へ食べ物が移動する
段階、小腸から大腸へと移動する段階、
大腸での段階など、いくつかの段階に
分けられます。
そして、このMMCの活動がきちんと
行われるのは、食事と食事の間と、
寝ている間です。つまり、空腹時と
食べ物が口から入ってこない時です。
ですから、何かしら、いつもスナックを
つまみ食いしていると、MMCが十分に
行われません。
しかし、仕事をしていると、頭や身体を
使うので、小腹がすきます。
ですから、腹持ちするように、毎食の食事に、
適切な炭水化物(繊維を含む野菜)、
たんぱく質、脂質を組み込んで、食間に
お腹をすきにくくする工夫が必要です。
ですが、忙しい現代人は、それがなかなか
できないということもあり、つい素早く
食べられるトースト1枚とコーヒー、
シリアルなどで済ましてしまうということ
もあります。
胃から入った食べ物が、MMCによって、
大腸まで消化されていくのにかかる時間は、
約2時間くらいであり、そして、空腹感が
健全なMMCを誘発するので、
スナックするとしても、3時間半~4時間は、
食事からの時間を空けた方が良いようです。
ですから、朝7時に朝ごはんを食べた場合、
最低10:30まではスナックしない方が良い
ということになります。
また、寝ている時には自然に絶食状態となる
ので、この時間を最大限活用すると、無理なく
MMCを活発にすることができます。
研究では、この絶食時間を10~12時間にする
ことが、健全なMMCの出現に必要とされて
います。
これらの要素をすべて考慮して、食べる時間
を毎日できるだけ定期的にすると、MMCを
健全に促すことができます。
たとえば、お勤めされている方は、朝あまり
食べる時間がない場合、朝6時に、フルーツ
(糖質と繊維)、ゆで卵(たんぱく質)、
アボガド(脂質)などを食べたとして、
それからスナックするのであれば、軽く
9時半以降に朝のモーニングティータイム
を取り、13時~に昼食、18時~19時くらいに
夕食、10時すぎ就寝、翌朝5時半~起床
とするなど。
体内時計も絡んで、身体は一定のリズムで
機能しているので、できるだけ、定期的な
時間で食事や就寝の時間を設けるように
工夫をすることが、シーボ(SIBO)の
コントロール(だけでなく一般の消化)に
大切です。
まとめ:MMC低下の主な原因
① ストレスで迷走神経の働きが鈍る
② MMCが起こる十分な時間を与えない
具体的なシーボ(SIBO)対策については
to be continued…